CASE 施工事例

長田の家

新築

2018.12.28

敷地は高低差の入り組む住宅地の一画です。南道路は位置指定道路として、その角に当たる2mの接道によって、建築可能とされています。北には敷地より低く下がった位置に水路と道路が存在しています。そんな複雑な建築基準法の条件下のこの敷地で、果たしてどんな家が建てられるか、というところから、この計画が始まりました。
高度斜線や道路斜線の扱いをはじめ、その他にも複雑に絡み合った条件や情報を紐解きながら、建築可能な最大限のボリュームを引出し、コスト面で影響の出ない屋根勾配によって、住まいとしての空間を確保しています。
2階建てでありながら通常の高さを超えるボリュームとなるため、1階は寝室や水回りといった比較的、構造に有効な耐力壁を適所に設けつつ、それとは反面、2階のLDKは天井の高い開放的な空間となり、更にそこから外部につながる広めのデッキ空間は、高めの壁手摺によってプライベートな庭空間を演出すしています。
密集した住宅地において、どうしても平面的に限られてしまうスペースの中で、ほぼ3階建てに近いボリュームによって、いかに断面的に豊かな空間が実現できるかに挑んだ住まいとなりました。
ここから始まる家族の新しい日常が、より豊かでありますように。

設計 一級建築士事務所ソツカ建築アトリエ 曾束真治

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