CASE 施工事例

宝塚の平屋

新築

2024.06.15

宝塚大劇場にほど近い武庫川のほとりに建つ平屋の計画である。方行屋根の中心に大黒柱を設け、動線に求心的な回遊性を与えている。また、この4寸角の化粧柱は、木の力強さによる視覚的安定性と、安らぎを内部にもたらしている。建物の庭は、2つに分かれている。塀で囲われたプライベートな内庭と、パブリックな位置付けの外庭を東側道路面にL型に接させた。庇を跳ね出し、軒下空間を大きくとることで、内庭にある縁側のようなデッキでは、室内外を一体利用して過ごせる。デッキの一部は、400mm上げる計画とした。和室の畳とダイニングの椅子の座面高さ揃えることで視線を合わせ、更に外部へと拡張を計ることで、内庭との関係性をより豊かに保つよう意図した結果である。反して外庭は、周辺環境に向かって解放し、住宅が街に対して閉じ過ぎた印象にならないように配慮しながら、高いプライバシーも両立させている。次世代型の省エネ基準を見据え、HEAT20のG2基準に相当する高い気密性と断熱性を備えた、平屋ならではのおおらかさのある終の棲家である。

設計 岩本賀伴建築設計事務所

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