CASE 施工事例

ゼロエネハウス神戸

新築

2017.10.11

2020年に新しく予定されている「住宅の省エネ基準の義務化」へ対応すべく次世代住宅の提案として行った、ゼロエルギーハウス(ZEH)仕様、耐震等級3取得による長期優良住宅の計画である。ZEHとは、「省エネ法に基づいた建築、設備によって減少したエネルギー消費と創エネによって作り出されたエネルギーの合計が、その建物で消費される標準のエネルギー消費量と等しいか多い」住宅のことをさす。(ゼロエネ住宅comより)
従ってエネルギー創出のため、屋根面には一般的に必要数の太陽光パネルを設置しなければならない。結果、必然的に南に流れるゆるやかで、大きな傾斜屋根面ができる。この南斜面を太陽に向けて、敷地(建ぺい率)いっぱいに大工による手刻みで、複雑に異勾配が合わさる大屋根をかけようと試みた。また、その下の小屋裏空間には、ロフト状に細長い2階を設けることとした。南向きの屋根面を重視してゆくと、第1層低層住居専用地域の高度斜線の影響によって隣地が迫った境界付近には余裕が全く残らない。そこで、太陽光を運ぶため、ロフト上部にはドーマー窓を開け、内部に安定した採光を取り入れるようにした。南傾斜面に対して、もはや壁面と呼べるほどの急傾斜した2階の北側天井面が、ハイサイドライトの光の反射版としてホリゾントの役割を果たしている。また、様々に角度の異なる勾配屋根の下に広がるリビングの西側の大きな開口からは、テラス越しに豊かな眺望を見下ろすことができる。
こうして、西へ開かれた視界と共に、ハイサイドライトからの屈折した間接的な光の作用によって、奥行きに従う自然光のコントランスを感じさせるような居住スペースを生み出した。

設計 岩本賀伴建築設計事務所 岩本賀伴

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